<<<2m 11el HB9CVアンテナの作成>>> update 2011.02.26

 

1.MMANAでの設計

    EME用として2mのアンテナを、MMANAを使用して作成しました。屋根の上に屋根馬で

設営する事から、ブーム長は4mの限られた条件で設計・シュミレーションを繰り返して、

下記の設定値を導き出しました。

<HB9CV 11ELの設計値>

単位:mm Ref Drv D1 D2 D3 D4 D5 D6 D7 D8 D9
エレメント長 1,122 1,013 946 926 908 893 890 890 882 882 832
位置 0 260 360 630 1,000 1,450 1,930 2,440 2,940 ,3450 3,960

                計算結果 Gain:11.46dB   R=44.7  X=5.1   

この設定値を採用としたのは、HB9CVとした時のゲインが取れSWRも悪くない値が出た事と

HB9CVがうまくいかなかった時に、八木に変更しても殆ど変わらない性能になるシュミレーシ

ョン結果が出た事です。

 

2.材料集め

    最初に悩んだのがエレメントの取り付け方てしたが、諸先輩方法をWeb検索していたら

止め輪(軸用)で取り付けられる事がわかり、Amazonから100枚700円で購入して解決しました。

  アルミパイプは、ブーム(4m 25mm 1.0t)×2本,エレメント(2m 6mm 1.0t)×11本と補強用

パイプ(1m 8mm 1.0t)および5mm×45mmのステンレスネジ4本をジョイフルホンダで、購入

しました。絶縁板は、100均で買ってあった7mm厚のPPCボートで作成しました。

(今は、売っていない様ですのでまな板等で代替が出来ると思います。)

スタックの分配器は、ローカルから入手したものがありましたのでそれを、利用しました。

<購入したパイプを、パイプカッタでカットした材料>

 

3.穴あけ加工

    エレメントは、ブームにあけた6mmの穴に差し込んで取り付けますが垂直を合わせるのが

大変ですが、ブームパイプを水平な所で2本を動かない様にビニールテープで固定し、ボール

盤でまとめて穴あけする事により、ボール盤で垂直が出せる様にしました。

まとめて、D1とDrvエレメント用の穴を開けた様子

(初めてでしたので少しズレましたが慎重にやれば旨く出来ると思います。)

 

4.組み立て

    各エレメントは、下の写真の様に止め輪で固定しますが止め輪は差し込むと、戻り出来ません

ので、ブームの太さを考慮して中心位置をマーキングする事を忘れない様にしてください。

 止め輪だけでは、不安がありましたので取り付け後ビニールテープで補強をしました。

(かなり強力に止まりますが、ガタなどで緩む可能性もあるので念のため)

 

  DrvとRefエレメントは、写真の様に8mmのパイプを100mmカットして3mmのネジ2本で絶縁板に

取り付け、フェーズドライン1.5mmのアルミ線に圧着端子を付け取り付けます。

 

 

5.組み立て調整

    上の写真は、ベランダに仮設しての調整時の写真です。設計通りのまま組み立てて、アナライザ

でSWRを測定したところ2.0以上で使い物にならない状況で、八木にしてみても同様な結果でした。

  また、125MHz付近でSWRが下がる様でしたので、DrvとRefエレメントを見直したところ共振周波数

に比べ長め担っていることが判り、計算からDrv(490mm×2),Ref(510mm×2)としてMMANAで再計算

して、ゲインが少し下がりますが問題なさそうなのでカットしてテストしたところSWRが1.2となり実用に

なりました。後からくみ上げたアンテナも同様の結果でしたので、設置工事に掛かる事としました。

<最終的なHB9CV 11ELの値>

単位:mm Ref Drv D1 D2 D3 D4 D5 D6 D7 D8 D9
エレメント長 1,020 980 946 926 908 893 890 890 882 882 832
位置 0 260 360 630 1,000 1,450 1,930 2,440 2,940 ,3450 3,960

                 計算結果シングル    Gain:11.17dB   R=35.0  X=-4.1

                        スタック時  Gain:12.99dB   R=33.7  X=-2.4

 

6.本設置

    本アンテナは、大変に軽く同軸の方が重いくらいですが、台風の時が心配です。旧の8ELを外し

スタック幅0.61λで取り付けましたがステーがある関係で、45度以上上空へ向けられなくなりまし

たがとりあえず良しとしました。分配器での接続ですので、4.16mのケーブルで分配器に接続して

スタックとしています。SWRは、144MHzで1.3 145.9MHzで1.2と合格点です。

<本設置した11EL HB9CVスタック>

 

アンテナの取り付けは、同軸の芯側が上向きに取り付けます。 1/21に水平スタックに変更しました。

 

7.感想

    8ELの時は、タワーに取り付けられているGPに負ける時があったのですが、このアンテナでは

GPより強く聞こえる時が多くなり、S9で聞こえる局も多くなりました。また、ビームも近所のノイズを

受信しながら回転させたところプラスマイナス30度でS9のノイズが消滅し、バックでもSが振れない

のでまあまあの性能のようです。

  上げたばかりですので、もう少し使用してから評価してみます。

 

8.評価(追加2011.02.26)

    私の環境では、水平・垂直のアンテナを上げるのは無理があるので、11EL HB9CVを、水平と

 垂直にセットしてデータをとる事にしました。ついでに、SWRを測定した結果が下記の表で、

 HB9CVのせいか、広帯域となっていますが2本のアンテナのバランスは良くないのが気になります。

 クラニシのBR-510で測定しています。

 

水平偏波に設置した時

周波数(MHz) 143.0 143.5 144.0 144.5 145.0 145.5 146.0 146.5
SWR 1.0 1.05 1.05 1.01 1.0 1.1 1.3 1.5
インピーダンス 45 40 35 41 49 53 50 41

 

垂直偏波に設置した時

周波数(MHz) 143.0 143.5 144.0 144.5 145.0 145.5 146.0 146.5
SWR 1.02 1.05 1.02 1.02 1.02 1.02 1.02 1.02
インピーダンス 35 43 48 47 45 50 55 49

 

<比較実験>

 この設置したアンテナで、水平・垂直の比較を行ってみました。偏波面の違いは、30dB位の差が

 出ると言われていますが、実際S9の局がかすかすになってしまう事もありました。しかしながら

 殆どの局はそれほどの差ではなく、伝播上・回折・反射などにより偏波面が分散されて、10dB

 前後の様です。私の所では、24時間では無いのですがS9クラスのノイズが南と西から発生して

 います。そこで切り替えて見ると、南ノイズは、垂直:S8-水平:S3 西ノイズは、垂直:S9+5dB-

  水平:S1で水平のほうがノイズは少なくなる結果となりました。また、その他の方向のノイズも

 WJSTで測定して、垂直:+2dB-水平:-3dBて゛5dBほどの差が出ました。この事からも、EME用の

 アンテナは、水平偏波の設置がよい様です。

 

            Home Pageへ

 

 

 

inserted by FC2 system